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第4回事業創出サロン【テーマ:抗体医薬・核酸医薬】

最近の治療薬の中では主役となってきた「抗体医薬」、ならびに次世代創薬の本命として期待が集まってきたものの中々有力治療薬が出てこない「核酸医薬」をテーマに最近の新薬の開発状況や今後の動向について議論を行いました。特に核酸医薬についてはロシュが昨年撤退を表明し嵐が吹き荒れている一方、miRNAに注目が集まっており話題が尽きません。まずは米国の抗体ベンチャーProtein Design Labs, Inc.でタンパク工学部門のトップを務めた鶴下氏に抗体医薬ならびに米国のバイオベンチャーの状況をお話しいただき、その後、日本RNAi研究会を主宰しておられる広島大学田原教授に核酸医薬の現状について話題を提供していただきました。

開催日時 平成23年3月10日 15:00~17:00
開催場所 京都リサーチパーク 東地区1号館2階 サイエンスセンタークラブ
内   容 「米国バイオベンチャーにおける抗体医薬開発」
鶴下直也氏(JN Biosciences LLC 共同創始者)

「核酸医薬の可能性 -miRNAのビジネス化に向けて」
田原 栄俊氏(広島大学 医歯薬学総合研究科 細胞分子生物学研究室 教授 )

【講師ご略歴】

■鶴下 直也氏 JN Biosciences LLC 共同創始者
京都大学理学部で博士号取得後、スタンフォード大学にて博士研究員、抗体遺伝子の転写調整機構を研究。その後、カリフォルニア大学バークレー校にて抗体遺伝子の組換え機構を研究。京大助手を経て1991年より抗体技術における代表的ベンチャーであるProtein Design Labs, Inc. (NASDAQ上場。2010年 アボットに買収される)にて蛋白工学部門ディレクターを務める。2005年、カリフォルニア州Mountain Viewにて新規抗体工学技術と抗体医薬の研究開発を行うバイオベンチャーJN Biosciences LLCを設立し、現在に至る。国内バイオベンチャーや製薬企業向けに抗体医薬に関する助言も行っている。
■田原 栄俊氏 広島大学 医歯薬学総合研究科 教授
広島大学大学院医学系研究科にて博士(薬学)を取得後、広島大学にて助手、講師、准教授を経て平成18年より現職。細胞の老化とがんに関する研究を一貫して行っており、特にテロメアと老化、がんの研究を実施してきた。テロメアに関しては、平成19年から平成21年までJSTの育成研究にてテロメアGテール測定キットと受託検査システムの構築を行い、今春にキット販売の予定。個人レベルのストレスなどによる染色体のダメージ指標としてテロメアGテール長の測定の受託検査を新ベンチャーで予定している。最近では、マイクロRNAにおける研究も精力的に行い、がん細胞に老化を誘導できる新規アプローチによるがん抑制マイクロRNAを発見し、核酸医薬品を目指している。2008年に立ち上げた日本RNAi研究会では、基礎研究の成果を実用化するのを援助できる研究会を立ち上げ、現在まで会長を務めている。

 

 

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